2011年3月28日月曜日

Google Chrome ロゴリニューアル

先日、Google Chromeのロゴがリニューアルされるとの発表がありました。



以前のものにくらべ、平面的になり、シンプルになりました。
それでも、グラデーション処理や影がつけられていて、立体感がまったくなくなったわけではありません。これまでのロゴとくらべて、完成度はどうでしょうか。


これまでのロゴは、はっきり言って全然よいとは思いません。ちょっと未来的なメカを感じさせるのに、かっこよくないし、質感に説得力がありません。
質感に関しては、デジタルで制作するときには気をつけるべきです。なぜなら、デジタルで制作する場合、「この世に存在しない材質」も画面上で作れてしまうからです。「そんなのデジタルならではの良さなのでは」と思う方も多いかと思います。しかし、人がそのデジタル制作物を見るときに「存在しない材質」には必ず違和感を感じます。Chromeの旧ロゴの質感にも違和感を感じないでしょうか。このロゴが表現している材質は「金属」なのか「プラスチック」なのかよくわかりません。真ん中の光っているものは、もっとわかりません。たぶん、制作した人も明確には答えられないと思います。「何なの?」と聞かれたら「なんとなく」と答えが返ってきそうです。もし、何かをモチーフとしていたとしても、はじめて見た人には分からない以上、それは完成度・説得力が高いとは言えません。

では、リニューアル後のロゴはどうでしょうか。個人的にはだいぶましになったと思います。シンプルになってより「記号的」になったために、質感についての違和感はかなり払拭されました。しかし、中途半端な半立体的処理はよくないと思います。ちょっと一昔前に流行ったweb2.0的な感じがして、「いまさら感」がとても感じられます。
ソフトウェアのアイコンである以上、ある程度の立体的処理は仕方ないと思います。OS自体が画面の奥行きを意識した、設計であるからです。しかし、立体にする以上は、質感の説得力がとても大切になります。
Chrome自体は優れたソフトなので、ちょっともったいない気がします。



●Google Chrome(リニューアル後)

造形:★☆
テーマ表現:★
汎用性:★★

※5点満点

2011年3月2日水曜日

facebook(フェイスブック)のロゴ

本ブログでは、評価の定まっているロゴではなく、なるべくタイムリーな話題を提供したいと思っています。ということで、今一番ニュースを賑わせている「facebook」のロゴについて解説してみたいと思います。



まずは、このロゴの元となったフォントを調べてみたところ、
Klavika Boldが一番近いようです。



ただ、よく見ると太さが違うので、このフォントをそのまま使用したのではないことがわかります。つまり、このロゴを作るときに文字を太らせる処理をしていることになります。
さらに「a」の一画目が調整されています。


「f」と「a」の横画が一直線上になるような処理がなされていることが確認できるかと思います。「a」の起筆部分の角度も「f」の横画と平行になるように調整されています。
「f」と「a」のような文字が隣り合う場合、ロゴとしてのまとまりを出すために、このような処理がなされることは普通です。
既存のフォントをそのまま使用したように見える一見簡単そうなロゴでも、実はこのような細部の調整が施され、完成度を上げているのです。

全体の完成度としては、プロが作ったロゴとしての品質は備えていると言えるでしょう。

個人的な感想としては色遣いも含めて「アメリカ人のオタク」っぽい感じがして、
「ダサい」と感じます。しかし、それこそが「facebook」の本質なのかもしれません。
そのへんの所はまだ見ていない映画「ソーシャルネットワーク」を見て確かめたいと思います。



●facebook

造形:★★
テーマ表現:★
汎用性:★★★★

※5点満点